本文へ

バナーエリアへ

フッターへ



ホーム  > NEWS&EVENTS  > 心理学コラムシリーズ No5.やる気を育てるご褒美とは?

心理学コラムシリーズ No5.やる気を育てるご褒美とは?

やる気を育てるご褒美とは?

「子どもが興味をもって頑張っているときには、むやみにご褒美をあげない方がよい」といった意見を聞くことがあります。やっていること自体が楽しくて頑張っているときに何かご褒美を与えてしまうと、頑張ることがご褒美を得るための手段になってしまい、ご褒美がなければ頑張れなくなることが心配されるというわけです。これはアンダーマイニング効果と言われ、「報酬がやる気を損なう」ということで注目されました。しかし、これが一人歩きして過度に幅をきかせるようになってしまったと言われています。 

Deciという心理学者は、ご褒美を与えることには少なくとも2つの側面があると言っています。一つは制御的側面、もう一つは情報的側面です。制御的側面とは、ご褒美によって相手の行動をコントロールしようという側面です。「もっとご褒美が欲しければ、もっと頑張りなさい」「頑張らないとご褒美はあげませんよ」といったメッセージが伝わってくるような場合です。これが前面に出てしまうと、たしかに冒頭のような考えが当てはまるわけです。しかし、ご褒美を与えることには情報的な側面もあります。「あなたの頑張りは、これくらいのご褒美に価する素晴らしいものなのですよ」といったことを伝えるわけです。このような側面が前面に出ている限り、ご褒美をあげることにはとくに問題はないようです。

ご褒美の功罪については今も盛んに議論されています。ひょっとすると、まったく同じご褒美をあげても、そこに添える言葉や振る舞いの違いによって、その影響はまったく異なったものになるのではないでしょうか。「与えるか与えないか」よりも「どのように与えるか」の方が大切なのかも知れません。

Deci. L.E. 1975 Intrinsic Motivation.(安藤延男・石田梅男(訳)1980 内発的動機づけ-実 験社会心理学的アプローチ 誠信書房)

Copyright© Aichi Gakuin University All Rights Reserved.